障害当事者・家族・多くの支援者による地域での共同の取り組みにより、障害者の働く場としての共同作業所が名古屋市南区に設立されて以降、共同作業所づくり運動は全国に広がり、半世紀が経とうとしています。
 グループホームや日中活動の福祉サービスは増大しましたが、誰もが共に生き、その人らしい暮らしの実現のためには、未だ福祉サービスは不足し、多くの改善すべき課題が残されています。また、福祉サービス利用にあたっての契約制度が導入され、判断能力の不十分な高齢者や障害者の実効性ある権利擁護の仕組みづくりの必要性がいっそう高まっています。
 「きょうされん」の調査によれば、40代前半の知的障害者のうち、半数を超える方が親と同居、50代前半でも3人に1人以上が親と同居しており、依然として「親依存の生活」となっています。高齢期を迎えた親の肉体的、精神的負担は大きく、わが子の「お金の管理」「住む場所」「身の回りと日々の生活」など、親なき後の深刻な問題が多くあり、一刻も早くこれらの解決が求められています。

 わが国の成年後見制度は、法律行為や財産管理について、高齢者や障害者の権利擁護のために役割を果たしていますが、成年後見人に広範な法定代理権を付与するなど、自己決定支援型の意思決定支援を定めている障害者権利条約との関わりで重大な問題が生じています。  
 2017年3月に、「成年後見制度の利用の促進に関する法律」にもとづき「成年後見制度利用促進基本計画」が策定されました。この背景には、成年後見制度の利用者が著しく少ない、利用者が後見類型に偏重している、公的な支援が不十分で本人の能力制限が顕著であるなどの関係者からの声と障害者権利条約による成年後見制度の改善を求める国際的潮流があります。  
 判断能力が不十分な高齢者や障害者の意思決定支援を実現し、組織的に利用者の財産管理や身上監護を行うことが必要かつ適切な場合や本人の身寄りがなく、成年後見の適切な候補を見つけるのが難しい場合などの受け皿として、法人後見が必要とされています。
 私たちは、こうした立場に立って、法人後見として以下のことを取り組みます。

1 現行民法等の解釈・運用による意思決定支援の可能な限りの追求
2 ラストリゾートとしての「本人を中心に置いた代理・代行決定」という、最も本人の利益に適う方法による成年後見等の権利擁護活動の取り組み
3 連携・ネットワークによる後見業務の継続性の確保と組織内でのスーパーバイズや監督機能で適正な身上監護・財産管理  

 具体的に、①成年後見人等の法人受任に関する事業、②生活支援サービス事業、③身元保証事業、④個別相談、ケース会議の助言等事業所職員への研修事業、⑤福祉に関する研修、後見支援員養成事業を行います。
 私たちは、NPOあいち障害者センター、きょうされん愛知支部に共同する団体や個人と連携し、共同作業所の“つくり運動”を担ってきた関係者の熱い思いを大切にし、地域で生活する障害者等の権利を守り、その生活の向上と福祉に寄与するため、ここに「特定非営利活動法人成年後見もやい」を設立します。